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捨てたもんじゃない


わたしは育ちがひねくれてしまったせいか
物事を真っ正面から見ることは苦手かもしれない。

長くそう生きてきたので
今自分が、一般的にどのような視点を持てているのか
わからない。

でもそれも良しとしている。

それでこそ自分らしさであって、
人にはない魅力になり得る原石なんだと思う。

紆余曲折のない人生なんて、きっと存在しないのだから。

人は自分を隠したがる。
そんな紆余曲折や、人と違う部分を否定する。

でも本当にするべきなのは、
そんな原石をピッカピカに磨き上げてあげる
自己愛なのだと、わたしは思う。


わたしの家族も、普通とは違う。
(と、わたしは思っている。)

家族の会話というものの正解はわからないが
我が家の会話は、近所の会合レベルだ。

そうとしか、絆を結べなかった親娘なのだ。

それも良しとしている。

昔、母子間の関係に悩んでいたとき
知人に一言アドバイスをもらった。

「お互い妥協が必要だよ」

もう20年も前になるけど、
わたしは今でもその言葉を覚えている。

相手がどんなに牙をむいてわたしの方を見ていても、
わたしまでも牙をむくことはやめよう、と。

今でも忘れないようにしている。

わたしは最初から,対立など求めていないのだから
そもそも牙をむく必要はなかったのだ。


先日の両親との話し合いで
わたし達家族にも、理解しあえる日が来るのだ
来たのだ、と思えたのである。


これまでの自分のやり方は間違っていたかもしれない。
だけど、これからは間違えなければいい。

ずっと正解し続けることはないかもしれないけど
ずっと間違え続けなければいい。




Aterier COCOLI